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私学は私物ではない:私学の課題と日本の私立大学経営

アドベント19日目です。社会人学生はなぜ増えないのか。日本の大学の根本問題です。

 

本日のアドベント(小さな贈り物)

今日はこれ。人気記事です。

note.com

なぜ日本では社会人学生が増えないのか。以下、私の体験的大学論である。

最大の問題は、日本の労働市場のあり方、すなわち新卒採用に過度に偏重した雇用システムにある。・・・

第二の問題は、高額な学費負担にある。・・・
第三の問題は、教育プログラムの問題である。・・・
第四の問題は、これは実は社会人学生に限ったことではないのだが、奨学金や支援制度の不備である。・・・

 

私の提言は次のとおりである。

① 就職・キャリアアップと切り離す
② 興味・関心や学ぶ歓びに沿った履修
③ 授業科目ごとの学費設定
④ 在学年限・修業年限の撤廃
⑤ オンライン化の徹底

・・・

以上、すべての大学の授業科目の放送大学化ともいうべき提言である。そういう主張である。それでよいのである。

私は、以前、放送大学の客員教員をつとめたことがある。ほぼすべてが社会人学生であった。学生たちは、学ぶ歓びを求めて放送大学に入学していた。就職と無縁な年配者が多かったのも事実であるが、就職やキャリアアップを考えて学んでいる人にはまったく出会わなかった。学生たちは履修した科目数分だけの授業料を払い、長期履修を当然の前提として在学していた。一つのコースを修了・卒業すると再入学を繰り返す学生も多かった。彼らにとっては学ぶことが歓びであり、生きがいなのである。大学とは本来そういうところなのではないだろうか。

 

明日の予告(当日〜翌朝9時まで)

なんでSNSやってるの?

単なる惰性?つながりを求めて?単なる自己承認欲求?一儲けしたいから?

そんな疑問に答えます。

note.com

 

▷▷▷以降の予定は、以下のアドベントカレンダーをご覧ください。

アドベントカレンダー2023

adventar.org

 

本日の更新情報(note&Pods

本日配信したポッドキャスト&note記事です。

 

1分以内のショート音声。「はじめのひと声」です。

listen.style

雪の朝ですね。ザクザクと凍ってますので、雪を踏みしめる音を聞いていただきながら、朝のひと声をお送りしたいと思います。
一面、銀世界。日差しも出てきて明るくて、太陽が当たっていると暖かいですね。

 

声の隔日記です。

listen.style

彼は真冬のバルコニーでジンギスカンを楽しんでいる。同窓会での疲れから2日間も飲み続けており、陸の孤島のような気分で静かな年末を過ごしている。

 

あまりにも私学の問題が目についたので。緊急ライブやりました!

stand.fm

同じ音源をnoteにも音声記事として投稿しました。

note.com

 

上記の音源の文字起こし記事です。

note.com

私学は私物ではない」というタイトルにしたわけですけど。これどういう意味か。 つまり「私学は誰のものか」っていう話なんですね。理事長のものではないし、 上野学園のオーナーのものでもないし。誰のものなのかって。私立大学 ・私立学校っていうのはね。

私学は誰のものか。これどうやって答えます。 私学は誰のものか。 いろんな答えが返ってくると思うんですが、これを考えるときに一番はっきりしてるのは 結局、資金源です。 誰が資金を出してるのかっていうことですね。私学の資金、 誰が出してるか。

日本の私学にオーナーはいるのか
これはアメリカとかの私学なんか行くと結構、大きな財団があってね 。ちゃんとオーナーがいてね 。そこがかなりのお金を出してっていう場合が多いんですが。日本の私学の多くは オーナー大学もありますが、 意外とそうじゃない大学のほうが多いですね。

日本の私学は何で成り立っているか。 これ一度調べてみるといいですよ。オーナーがどれだけ金出してるか。 あるいは理事長がどれだけ金出してるか。給料で金は持っていくけれども、 金はほとんど出してないと思いますね、 間違いなく。それこそ設立当初に、 これ設置者っていうんですが、 設置するときにある程度の資産を投げ打ったり提供したりってことはあったかもしれないけども、 それはもう何十年も前の話で、その後はむしろ資金の提供っていうのをやっている 理事や理事長ってほとんどいないと思いますね。日本の私学はね。 これ調べたことないですけども、 非常に少ないと思います。

結局、資金源は3つしかないんです。

1つは、オーナーですね。 設置者。設置者イコールオーナーっていうわけでもないんですけれども、1つは、設置者、あるいはオーナー。 これは資金源、 どんだけ出してるか調べてみるといいです。 皆さんの在籍してるところね。

一番大きいのは何かって言ったら、これは学納金です。 間違いなく、学納金依存の私立大学が、 日本の場合ほとんどです。学納金依存の私立大学です。

私立大学あるいは私学っていうのは、 学納金だけで経営しなきゃいけないものではないんですよね。もともと私学を設置するときっていうのは、 寄附行為っていう、これが私学の憲法、 企業でいう定款にあたるわけですけど、 寄附行為っていうルールがあってね。この寄附行為に基づいて設置されてるわけですが、寄附行為っていう言葉にもあるように、 寄附で成り立つのが私学なんですね。 基本的に。

普通は設置者が一番大きな寄附をしてね。 それで私学を存続させるわけです。それは金儲けが目的じゃなくてもっと別の、教育というね、いろんな建学の理念があると思いますが、 建学の理念に基づいた教育を行うということで、これは寄附行為なんですね。 金を稼ぐ行為じゃないんです。私学で金儲けようと思ってる方が そもそも大きな間違いであって、金を儲けたいんだったら別のことを考えるべきで、 企業を作るとかね、起業をするとか考えるべきで、私学で儲けようと思ってる理事長や本部長がいたら、 これはもう間違いの始まりですよね。カジノで大儲けしてやろうとか思ってるとしたら、 これはもう大問題だということなんですが。

 

目次
「日本の私学」問題の賑わい
 近畿大学の話
 上野学園の話
 名古屋芸術大学の話
私学は私物ではない
 私学は誰のものか
 日本の私学にオーナーはいるのか
資金源は3つしかない
 学納金依存の日本の私立大学
 私学は寄付行為で成り立っている
 私学助成金依存の日本の私立大学
私学助成とは何か
 「公の支配に属しない私学」に公金を使ってはならない
 「公の支配に属する」とはどういうことか
 私学助成金をもらう根拠はどこにあるのか
日本で私学助成制度が発達したわけ
 日本の私立大学は「公の支配に属する私学」
 給料だけもらって寄付をしない理事長、寄付をしないオーナー
日本の私学は学納金と税金で成り立っている
 寄附行為としての学納金
 雇われているのは理事会の側
 日本の私学の理事会は名ばかり
勘違いしている日本の私学経営者