問いを三つに分ける。
WHO|誰が届けるのか。
発信者か。プラットフォームか。購読者が選んだ仕組みか。棚を編集した人か。
WHAT|なにを届けるのか。
すべての更新か。選別された投稿か。特定の媒体の新着か。過去の痕跡か。
HOW|どう届けるのか。
時系列か。推薦順位か。手動で構成した棚か。RSSによる定期取得か。
発端──Are.naからLiRaxへ
始まりは、SNSの再設計ではなかった。
散らばった制作物や発信の痕跡を、どこに、どう置いておくか。
Are.naでは、ブロックを集め、棚をつくった。
自分の痕跡を置くことも、他者の痕跡を迎え入れることもできる。
そこから、RSSを集める棚をつくるという発想が生まれた。
LiRax(Living RACKs)
新刊のある古書店、SCREP -処-
静的なHTMLで棚を組み、RSSによって新着を届ける。
棚の構成は手で決めるが、棚に並ぶ新着は自動的に更新される。
静的に建てて、動的に遊ぶ。
当初は、発信場所を横断して新着を見られる、ヴァーチャル古書店だった。
ところが、実際に使ってみると、別のことが起きた。
自分が投稿したものが、時間をおいて自分の棚に届く。
投稿したら忘れる。忘れたら棚を見る。
棚には、かつて投稿したものが並んでいる。
他者への配送装置が、自分自身の痕跡との再遭遇装置にもなった。
ここから、RSSとSNSの関係を問い直すことになった。
RSSによる購読が広く使われていた時代から、SNSによるフォローや推薦が普及した時代へ。
この変化によって、発信と受信の敷居は大きく下がった。
人を探し、フォローし、投稿を受け取り、反応する。ひとつのサービスの内部で、多くのことができるようになった。
しかし、便利になったことと、選択の自由が増えたことは同じではない。
ここで問いたいのは、RSSが優れていてSNSが劣っている、ということではない。
つながることが簡単になったとき、誰が、なにを、どう選ぶようになったのか。
そして、何が見えなくなったのか。
